
保険の入れ歯と厚みを比べる「試着用入れ歯」|金属床入れ歯の薄さ、作る前に試せます

「金属床の入れ歯は薄くて快適らしい」
そう聞いて気になってはいるものの、実際にどのくらい薄いのかは、正直よくわからない。パンフレットの写真を見ても、模型を手に取っても、自分の口に入れたときの感覚までは想像しにくいものです。
しかも金属床は自費診療で、決して安い買い物ではありません。「作ってみて、思っていたのと違ったらどうしよう」と、一歩を踏み出せずにいる方も少なくないと思います。
そこで大阪市住吉区のまつうら歯科・こども歯科では、金属床の入れ歯を作る前に、その薄さをご自身のお口で試していただける 試着用入れ歯(金属床体験用シーネ) をご用意しています。この記事では、保険の入れ歯と金属床の厚みの違い、体験用シーネでわかること、作製の流れや費用、注意点までを、できるだけ正直にお伝えします。
金属床入れ歯は、保険の入れ歯とどのくらい厚さが違うの?
上あごを覆う「床(しょう)」の部分で比べると、一般的な目安は次のとおりです。
- 保険の入れ歯:おおよそ2〜3mm前後
- 金属床:おおよそ0.5mm前後
数字にすると差は2mm程度ですが、お口の中ではこの差が意外と大きく感じられます。
| 比較項目 | 保険の入れ歯(レジン床) | 金属床の入れ歯 |
|---|---|---|
| 床の素材 | 歯科用プラスチック(レジン) | コバルトクロム・チタンなどの金属 |
| 床の厚さの目安 | 約2〜3mm | 約0.5mm前後 |
| 温度の伝わり方 | 伝わりにくい | 伝わりやすい |
| 割れにくさ | 薄くすると割れやすい | 薄くても強度を保ちやすい |
| 修理・調整 | しやすい | 金属部分は難しい場合がある |
| 費用 | 保険適用 | 自費診療 |
※厚さはあくまで一般的な目安です。お口の形や設計、使用する金属によって変わります。
舌の先は、髪の毛1本でも気づくほど敏感な場所です。わずか2mmほどの違いでも、舌の置き場所や、「さ行」「た行」の発音のしやすさが変わることがあります。逆に言えば、この感覚は数字や写真だけでは伝わりません。だからこそ、実際に体験していただく方法をご用意しました。
今お使いの入れ歯の厚みそのものが気になっている方は、入れ歯の厚みが気になる方・入れ歯を薄くしたい方へもあわせてご覧ください。
なぜ金属床は薄くできるのか
理由はシンプルで、金属はプラスチックよりもずっと強いからです。保険の入れ歯に使うレジンは、薄くしすぎると噛む力でたわんだり割れたりしやすくなります。そのため、ある程度の厚みを持たせて強度を確保しているのです。
一方、金属は薄く仕上げても強度を保ちやすい素材です。床を薄く、面積を必要な範囲に抑えた設計がしやすくなります。
チタンとコバルトクロムの違いや、金属床が残っている歯を守る仕組みについては、金属床義歯とは?剛性が残存歯を守る仕組みとチタン・コバルトクロムの違いで詳しく解説しています。入れ歯が何度も壊れてしまう方にチタン床義歯を用いた症例もご紹介しています。
薄さが関わってくるのは、主に次のような場面です。
- 話すとき:舌が動くスペースが広くなり、発音への影響が少なくなる場合があります
- 食べるとき:金属は熱を伝えやすいため、温かい・冷たいといった温度を感じやすいとされています
- 入れているとき:口の中の異物感が軽くなる場合があります
ただし、感じ方には個人差があります。薄ければ必ず快適になる、とは言い切れません。お口の形や、これまで使ってきた入れ歯との違いによっても印象は変わります。
高価だからこそ、試してから決めたい。「金属床体験用シーネ」とは
金属床体験用シーネは、金属床の入れ歯とほぼ同じ厚みで作る、試着専用のマウスピースのようなものです。あなたのお口の型をもとに作るので、既製品のサンプルとは違い、ご自身の上あごにぴったり沿った形で薄さを確かめられます。
診療室でよく伺うのは、こんな声です。
- 「薄いとは聞くけれど、どれくらい違うのか想像がつかない」
- 「何十万円もするものを、試さずに決めるのは不安」
- 「今の入れ歯の厚ぼったさが気になっている。でも替えて本当に変わるのかわからない」
どれも、とても自然な迷いだと思います。私たちは、そうした迷いを抱えたまま無理に決めていただく必要はないと考えています。体験用シーネは、迷っている時間そのものを「確かめる時間」に変えるための道具です。
保険の入れ歯を何度も作り直している方は、自費義歯を検討すべきタイミングとはも判断の参考になると思います。
なお、体験用シーネは入れ歯の代わりになるものではありません。食事には使えず、床の薄さや装着感を確かめていただくための試着専用品です。
体験用シーネでわかること・わからないこと
試着の前に、何が確かめられて、何が確かめられないのかを整理しておきます。期待とのずれを防ぐためにも、ここは大事なポイントです。
| 確かめられること | 確かめにくいこと |
|---|---|
| 上あごを覆ったときの薄さ・異物感 | 完成した入れ歯での噛み心地 |
| 話すときの舌の動かしやすさ・発音 | 食事のしやすさ(装着したまま食事はできません) |
| 今お使いの保険の入れ歯との厚みの違い | 留め具(クラスプ)や人工歯を含めた最終的な装着感 |
| 長めに入れていたときの慣れやすさ | 完成品の重さ・温度の伝わり方 |
おすすめの試し方は、ご自宅で音読をしてみることです。新聞の一段落や好きな本の数ページを、今の入れ歯と体験用シーネで読み比べてみてください。「さしすせそ」「たちつてと」の言いやすさ、舌が上あごに触れたときの感触など、ふだん意識しない違いに気づけることがあります。
テレビを見ながら、家事をしながらなど、日常の中でしばらく入れておくのも一つの方法です。ただし、違和感や痛みが出たときは無理をせず外してください。
作製の流れと期間:お渡しまで約2週間
体験用シーネは、患者さんお一人おひとりのお口の型をもとに作ります。既製品ではないため、型取りからお渡しまで約2週間いただいています。
- ご相談・お口の確認
カウンセリングルームで、今の入れ歯で気になっていること、金属床に期待していることを伺います。お口の状態によっては金属床が向かない場合もあるため、そのことも含めてお話しします。 - 型取り
上あごの形を正確に写し取ります。数分ほどで終わり、痛みを伴う処置ではありません。 - 作製(約2週間)
いただいた型をもとに、金属床とほぼ同じ厚みの体験用シーネを作ります。 - お渡し・装着の確認
個室診療室で実際にお口に入れていただき、当たりや浮きがないかを確認します。保険の入れ歯と付け替えて、その場で厚みの違いを比べていただくこともできます。 - ご自宅で体験
会話や音読など、ふだんの生活の中で薄さを確かめてみてください。 - 金属床にするかどうかのご相談
体験してみての感想をもとに、金属床にするか、保険の入れ歯のまま調整していくかを一緒に考えます。体験したからといって、金属床を作らなければいけないわけではありません。
「型取りのときに気持ち悪くならないか心配」という方もいらっしゃいます。苦手な方には、姿勢や材料の量を工夫しながら進めますので、遠慮なくお伝えください。
型取りが苦手な理由や、当院で行っている工夫は入れ歯の型取りで嘔吐反射が辛い方へで詳しくご紹介しています。
費用は1枚2,750円(税込)。ご使用前に知っておいていただきたいこと
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名称 | 金属床体験用シーネ(試着用入れ歯) |
| 費用 | 1枚 2,750円(税込・自費) |
| 作製期間 | 型取りから約2週間 |
| 食事 | 装着したままの食事はできません |
金属床の入れ歯そのものは数十万円になることも多い治療です。その前に2,750円で薄さを確かめておけるのは、判断材料として決して小さくないと考えています。
ご使用にあたっての注意点
- 装着したままの食事はできません。食事の前には必ず外してください
- 就寝時は外してください
- 使用後は水で洗い、清潔な状態で保管してください。熱湯での洗浄は変形の原因になります
- 痛みや強い違和感が出た場合は、使用を中止して当院にご相談ください
- 体験用シーネは試着専用品です。完成した金属床入れ歯の装着感を保証するものではありません
金属床にもデメリットはあります
薄さばかりをお伝えすると、良いことしかないように聞こえてしまいます。けれど、金属床にも注意しておきたい点があります。体験の前に、ぜひ知っておいてください。
金属床に限らない入れ歯全体の注意点は、入れ歯のデメリットにまとめています。
- 自費診療のため費用がかかる:使用する金属や設計によって費用は大きく変わります
- 金属部分の調整・修理が難しい場合がある:プラスチックのように削ったり足したりする調整がしにくく、歯ぐきがやせて合わなくなったときに作り直しが必要になることがあります
- 金属アレルギーの方は注意が必要:使用する金属の種類によっては使えない場合があります
- 作製に時間がかかる:完成までに複数回の通院と、一定の期間が必要です
- お口の状態によっては向かない場合がある:歯ぐきの状態や、今後抜歯の予定がある場合などは、先に保険の入れ歯で様子を見るほうがよいこともあります
保険の入れ歯と自費の入れ歯で、完成までの日数や通院回数がどう違うかは入れ歯の製作期間・工程を徹底比較をご覧ください。
「金属床にしたほうがいいですか?」と聞かれることもありますが、答えはお口の状態とご希望によって変わります。保険の入れ歯でも、丁寧に調整することで使いやすさを高められるケースは少なくありません。体験用シーネは、どちらが自分に合っているかを考えるための材料のひとつとしてお使いください。
今の入れ歯が合わない理由を先に知りたい方は入れ歯が合わない原因を、金属床以外の選択肢も比べたい方は入れ歯の種類について徹底解説をご覧ください。
よくあるご質問
Q. 体験用シーネを作ったら、金属床を作らないといけませんか?
A. いいえ、その必要はありません。体験してみて「今の入れ歯の調整で十分かもしれない」と感じた場合は、そのお気持ちを優先してください。
Q. 下の入れ歯でも体験できますか?
A. お口の状態によって対応が変わりますので、まずはご相談ください。
Q. 部分入れ歯でも試せますか?
A. 試せます。実際の金属床の設計を行い、実際の金属の形で製作します。
Q. 体験用シーネを入れたまま眠ってもいいですか?
A. 就寝時は外してください。お口の粘膜を休ませる時間も大切です。
入れ歯そのものを寝るときに外すかどうかは、入れ歯は寝る時に外す?で詳しくお伝えしています。
Q. 今使っている入れ歯は持っていったほうがいいですか?
A. はい、ぜひお持ちください。その場で厚みの違いを比べていただけます。
まとめ:迷っているなら、まず薄さを確かめてみませんか
金属床の入れ歯は、保険の入れ歯に比べて床を薄く作れることが特徴です。とはいえ、その薄さが自分にとってどう感じられるかは、実際にお口に入れてみるまでわかりません。
- 保険の入れ歯の床は約2〜3mm、金属床は約0.5mm前後が目安
- 体験用シーネは、あなたのお口の型から作る試着専用品
- 作製期間は約2週間、費用は1枚2,750円(税込)
- 装着したままの食事はできません
- 体験後に金属床を作るかどうかは、あらためて一緒に考えます
高価な治療だからこそ、納得してから決めていただきたい。私たちはそう考えています。入れ歯のご相談は、個室診療室とカウンセリングルームで行います。入れ歯のことは人に聞かれたくない、という方も安心してお話しください。「ちょっと気になる」という段階でも構いません。今お使いの入れ歯をお持ちのうえ、どうぞお気軽にご相談ください。
※効果や感じ方には個人差があります。
※金属床入れ歯は自費診療です。費用・期間・リスクについては、診察時に詳しくご説明します。
入れ歯無料相談のご案内|大阪入れ歯専門外来
「どの入れ歯が自分に合うのかわからない」
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そのようなお悩みがある方は、一度状態を確認させてください。
まつうら歯科・こども歯科では、歯科医師30分+歯科技工士30分、計60分の無料相談を行っています。歯科医師と歯科技工士の両方からご説明することで、お口の状態と医学的な視点、そして入れ歯の構造・設計・素材の特徴、両面からより分かりやすくお伝えできます。
無理に治療を進めることはありません。ご相談だけでも大丈夫です。他院で作った入れ歯のご相談も歓迎します。
大阪市住吉区・あびこ駅から徒歩3分。住吉区・東住吉区・阿倍野区・住之江区・堺市・松原市はもちろん、奈良・和歌山・神戸・京都など遠方からもご相談いただいております。
電話:06-6698-6480
またはWEB予約からお申し込みください。
入れ歯の作製・使用にともなう一般的なリスク・副作用
・内容によっては自費(保険適用外)となり、保険診療よりも高額になります。詳細は歯科医師にご確認ください。
・入れ歯を固定するため、患者さまの同意を得てから残存歯を削ったり抜歯したりすることがあります。
・使用直後は、口腔内になじむまで時間がかかることがあります。
・事前に根管治療(神経の処置)や土台(コア)や被せ物(クラウン)の処置が必要となることがあります。
・入れ歯を装着していない時間が長いと、残存歯の傾きや損失、歯槽骨(歯を支える骨)の吸収などが起こることがあります。
・咬合が変化したり、固定源である残存歯が削れたり抜けたりした場合は、入れ歯の調整・修理が必要になることがあります。
・金属を使用する入れ歯では、金属アレルギーを発症することがあります。・使用方法などにより、破損することがあります。
・シリコン義歯は数年に1度シリコンの張り替えが必要になります。
・定期的な検診・メンテナンスが必要です
この記事は、まつうら歯科・こども歯科(大阪市住吉区我孫子)の歯科医師が監修しています。個々の症状や治療の適否については、直接ご来院の上ご相談ください。
医療法人修成会 まつうら歯科・こども歯科
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