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どうしたらいい?「こどもが前歯をぶつけた」ときの対応|【まつうら歯科・こども歯科】あびこ駅徒歩3分|大阪市住吉区

どうしたらいい?「こどもが前歯をぶつけた」ときの対応

こどもが前歯をぶつけた時のチェックポイント

 

出血の確認

口の中で歯茎から血が出ている場合は、まず出血を止めることが重要です。清潔なガーゼやタオルで軽く押さえて止血してください。

歯が欠けていないか確認

歯が欠けていないか確認しましょう。大きく歯が欠けて歯の中から出血がある場合、神経までダメージがある可能性があります。少しの欠けなら、尖っているところの研磨やプラスチック(レジン)を詰めることがあります。歯が大きく欠けて、歯の中から出血し、神経が露出している場合は、神経の治療が必要になります。

歯が動揺していないか確認

歯が動揺していないか確認しましょう。人差し指の腹で押してみてください。目で見てかなり歯の動揺が大きく、揺れが大きい場合は脱臼や亜脱臼、歯の破折の可能性があるので、できるだけ早く歯科医院に行ってください。脱臼、亜脱臼の程度によりますが、ボンド固定やワイヤー固定を行うことがあります。動揺があまり見られない場合は、そのまま経過観察で済むこともあります。

歯が抜けてしまった場合

歯が完全に抜けてしまった場合、水道水などでは洗わないようにしてください。歯が抜けた後に、元に戻すためには歯の周りについている歯根膜というものがキーポイントになります。歯が抜けた後、歯牙保存液や牛乳につけて1時間以内であれば歯根膜のダメージが少ないため、再植できる可能性が高くなります。外傷で歯が抜けてから1時間以上経過すると、歯根膜細胞のダメージが大きくなり、再植困難となります。歯が抜けた場合は、牛乳か保存液につけて、歯科医院を受診してください。歯の再植はワイヤーやレジン(プラスチック)で固定し、経過観察をします。必ずしも歯が定着するわけではなく、場合によっては、脱落してくることもあります。特に永久歯の脱落よりも乳歯の脱落の方が再植困難だと言われています。

歯の位置がズレた、歯が歯茎の中にめり込んだ(変位、陥入)

抜けなくても歯がグラグラしたり、歯茎の中に歯が埋没してしまうこともあります。力のかかる方向により、ぶつけた外力により 歯が骨の中にめり込んだり元の歯の位置から大きく変位することもあります。強い外力が働いた場合、歯の周りの骨が折れている場合もあります。乳歯、永久歯問わず、歯に強い外力がかかった場合、歯の神経がダメージを受け、歯が変色してくることがあります。歯を元の位置に整復し、ボンド固定やワイヤー固定を行ないます。場合によっては、歯の神経の治療が必要になることがあります。

 

歯の変色について(受傷後の経過)

① 受傷直後の変色

歯をぶつけた直後は、歯の中の神経や血管がダメージを受け、充血や内出血が起こることがあります。
そのため、歯の色が一時的に淡い赤色やピンクっぽく見えることがあります。この段階の変色は、一時的なもので、時間が経てば改善することが多いです。

② 受傷から1週間〜数ヶ月後の変色

しばらくしてから歯が黒っぽく変色してくることがあります。これは、歯の神経が死んでしまっている可能性があるサインです。たとえ受傷直後に歯科を受診して問題がなかった場合でも、その後に歯が黒くなってきたら、すぐに歯科医院で再度、診てもらうようにしてください。

 

③乳歯の場合の注意点(特に前歯)

乳歯が変色した場合、その下にある永久歯への影響も考慮する必要があります。

  • 永久歯にすぐに生え変わる時期(幼児期)では、乳歯の神経が死んでいても、すぐに治療を行わず経過観察することもあります。

  • レントゲンを撮って、歯の根や周囲の骨に炎症が見られる場合は、根の治療(根管治療)をすることがあります。

  • 乳歯が変色していても根に問題がない場合、経過観察をすることがありますが、数ヶ月ほどで、黒い変色が消えることもあります。
  • 症状が強く、永久歯に悪影響を与えるリスクが高い場合は、乳歯を抜歯することもあります。

  気になる変色があったら、迷わずにかかりつけの先生に相談することが大切です。

乳歯の外傷でそのまま放置してしまった時に起こること

乳歯だから、そのまま放置しても、大丈夫ということはありません。乳歯の下には永久歯が控えており、乳歯の治療が必要で、そのまま放置してしまった場合、永久歯に悪影響が起きる可能性があります。永久歯の生える方向異常や形態異常が起きる可能性があります。外傷を受けて、乳歯の見た目が問題なくても、外力により、歯茎の中にある永久歯がダメージを受けていることもありますので、注意が必要です。放置はせずに、かかりつけの歯科医院を受診していただくことをおすすめします。

まとめ

乳歯の場合、歯が変色しても、歯の根っこに病巣がなければ、処置をせずに、経過観察することもあります。歯の外傷は受傷してから、数ヶ月後に症状が出てくることもあるため、半年程度は経過を追う必要があります。歯の外傷は乳歯と永久歯、そして、歯根未完成歯と歯根完成歯で対応が異なり、様々なケースがあるので、お子様が前歯をぶつけた際は速やかにかかりつけの歯科医院を受診されるようおすすめします。

 

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write:2025-02-18

rewrite:2025-04-18

 

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