
目次
保険診療の白い被せ物(CAD/CAM冠)と自費セラミック治療の違いとは?
1. 保険診療の白い被せ物(CAD/CAM冠)と自費セラミック治療の違いとは?
「白い歯の被せ物」といえば、以前は自費診療が当たり前でしたが、
近年では保険でも白い被せ物を選べるケースが増えてきました。
それなら「わざわざ高い自費診療を選ばなくてもいいのでは?」と感じる方もいらっしゃ
るかもしれません。
でも実は、保険の白い被せ物(CAD/CAM冠)と自費のセラミック治療では、見た目や耐久
性などに大きな違いがあります。
今回は、それぞれの特徴をわかりやすくご紹介します。
2.CAD/CAM冠とは?
CAD/CAM冠(キャドキャムかん)とは、コンピューターで設計・製作される白い被せ物です。
「ハイブリットレジン」と呼ばれる、歯科用のレジン(プラスチック)にセラミックを混ぜた素材でできています。
●CAD/CAM冠のメリット
・被せ物の色が白いので銀歯より目立たない
・メタルフリーの治療ができる
・歯茎に金属の色が沈着しない
・保険が適用されるので費用が抑えられる
●CAD/CAM冠のデメリット
・銀歯より外れやすい
・金属を使う被せ物より多く歯を削らなければならない
・汚れ(プラーク)がつきやすく、二次むし歯(むし歯の再発)になりやすい
・吸水性があるため変色する
・お口の状態によっては適用できない場合もある
3.自費診療のセラミック治療とは?
セラミックの種類と特徴
自費診療では、より高品質なセラミック素材を使った被せ物を選ぶことができます。
代表的なものには、以下のような種類があります。
・e-max
透明感が高く、自然な見た目を再現できるオールセラミック。
強度は約400MPaで天然歯に近く、審美性と耐久性を兼ね備えます。
・フルジルコニア
約800〜1200MPaの非常に高い強度を持ち、奥歯など噛む力が強い部位に最適。
透明感はやや劣るものの、耐久性重視の方におすすめです。
・ジルコニアセラミック
ジルコニアの強さとセラミックの美しさを兼ね備え、耐久性と審美性を両立。
土台となるジルコニア自体が白いため、たとえ土台の歯が虫歯などで変色していても、そ
の色を透かさず、自然で美しい仕上がりになります。
・メタルボンド
金属の強度とセラミックの審美性を兼ねた被せ物で、奥歯にも対応可能。
内側に金属を使うため耐久性が高く、セラミックで色や形を再現できるので自然な見た目
になりますが、金属アレルギーのある方には不向きで、他の素材が推奨されます。
それぞれの素材についてさらに詳しく知りたい方は、こちらのコラムもぜひご覧ください。
自費診療のセラミック治療のメリット
・天然歯に近い透明感と質感のため審美性がよい
・プラーク(歯垢)や細菌、食べカスなどの汚れが付着しにくいため、二次むし歯になり
にくい
・精密な型取りができるため、適合精度が高い
・経年劣化で変色しにくい
・金属アレルギーの心配がない
自費診療のセラミック治療のデメリット
・強い衝撃を受けると割れる可能性がある
・銀歯に比べると歯を削る量が少しだけ多くなる
・費用が高い
4.保険と自費、それぞれの違いを比較
それでは、保険診療で使えるCAD/CAM冠と、自費診療のセラミック治療の違いについて、
具体的に見ていきましょう。
素材の違い
まず大きな違いは「素材」です。
CAD/CAM冠は、「ハイブリッドレジン」と呼ばれる素材でできています。これは、レジン
(歯科用プラスチック)にセラミックを混ぜたもので、強度や見た目をある程度両立した
材料です。
一方、自費のセラミック治療では、「オールセラミック」や「ジルコニアセラミック」な
ど、純度の高いセラミック素材が使用されます。これにより、より自然で美しい見た目や
、優れた耐久性が得られます。
見た目の違い
CAD/CAM冠も白い見た目ですが、色調や透明感には限界があり、やや「のっぺり」した印
象になります。
対してセラミック治療では、天然歯のような透明感や光沢、微妙な色合いまで再現可能で
す。前歯など目立つ部位に用いると、「どこに被せ物があるかわからない」ほど自然な仕
上がりになります。
耐久性の違い
耐久性も大きな違いのひとつです。
CAD/CAM冠は強度に限界があり、歯ぎしり・食いしばりが強い方では、すり減ったり、欠
けたりするリスクがあります。またレジンの特性である吸着しやすい面が出てしまうため
、経年とともに変色が見られます。
一方、セラミック治療(特にジルコニアなど)は非常に硬く、長期間使用しても割れにく
く、耐久性があります。セラミックは水分をほとんど吸収しないため、長期間にわたって
自然な白さを保つことができます。
汚れの付きやすさの違い
セラミックとCAD/CAM冠では、表面の滑らかさや汚れのつきやすさに違いがあり、それが
普段のお手入れのしやすさや、将来的な二次むし歯のリスクにも影響してきます。
CAD/CAM冠はセラミックに比べてやや柔らかく、表面のなめらかさも劣るため、時間が経
つにつれて着色や汚れがつきやすくなる傾向があります。これらの汚れが原因で、二次む
し歯のリスクが高まることもあります。
セラミックは表面が非常に滑らかで硬く、唾液や食べ物の汚れ、プラーク(歯垢)が付着
しにくいという特長があります。そのため、治療後も清潔に保ちやすく、二次むし歯や着
色・口臭のリスクも低減できます。
5.まとめ
このように、保険診療のCAD/CAM冠と自費診療のセラミック治療には、見た目・耐久性・
素材・費用といったさまざまな違いがあります。
どちらが良い・悪いというわけではなく、大切なのは「ご自身にとってどんな治療が合っ
ているか」ということです。
「できるだけ費用を抑えたい」「見た目の美しさを大切にしたい」「自分の歯を長くもた
せたい」など、患者さん一人ひとりのご希望や生活スタイルに合わせた選択肢をご提案で
きればと思っています。
迷われている方は、ぜひお気軽にご相談ください。
一緒に、あなたにとって最適な治療方法を考えていきましょう。
セラミック治療、ホワイトニングに関してのお悩みは
住吉区あびこの歯医者
まつうら歯科・こども歯科までご相談ください。