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子供の前歯が重なって見える?乳歯と永久歯が並んで生えてきたときの正しい対応とは
「最近、子供の前歯が2列に見えるようになってきたんです」
「乳歯がまだ抜けていないのに、その後ろから永久歯が生えてきました」
そんな保護者の方からの声を、歯科医院ではよく耳にします。
乳歯と永久歯が同時に生えていて、まるで歯が“2列に並んでいる”ように見えるこの状態。初めて見ると驚かれる方も多いのですが、実はこれは**「二重歯列(にじゅうしれつ)」**と呼ばれる、子供の歯の生え変わり時期によく見られる現象のひとつです。
今回は、この「子供の前歯が重なって見える」状態について、原因や対処法、そして歯医者を受診すべきタイミングなどを、小児歯科の視点からわかりやすくご紹介します。
■ なぜ前歯が2列に?原因は永久歯の位置にあり
通常、子供の乳歯は6歳頃から少しずつ抜け始め、12歳前後でほぼ永久歯に生え変わります。最初に生え変わるのは、**下の前歯(中切歯)**です。この時期、乳歯の下で永久歯が育ち、乳歯の根を溶かしながら上に押し上げてくることで、乳歯は自然とグラグラし、やがて抜けていきます。
しかし、永久歯が乳歯の真下ではなく、内側(舌側)や外側からズレて生えてくることがあります。すると、乳歯がなかなか抜けず、永久歯と乳歯が同時に並んでしまい、まるで前歯が2列になったように見えてしまうのです。これが「二重歯列」の正体です。
■ よくあるパターン:子供の成長段階と歯の動き
特に5歳〜7歳頃にかけて、下の前歯でこの現象が起きるケースが多いです。上の前歯でも起きることはありますが、下の前歯のほうが頻度が高いのが特徴です。
永久歯が乳歯の内側から顔を出し始めると、乳歯が抜けるタイミングによっては「重なって見える」「並んで見える」状態になります。子供自身が痛みを訴えることは少なく、保護者が歯みがき中や食事のときに気づくことが多いです。
■ 二重歯列は放っておいてもいいの?
状態によっては、自然に乳歯が抜け、永久歯が正しい位置へ移動していくこともあります。しかし、**全てのケースが自然に治るわけではありません。**永久歯がすでに内側にずれて固定されてしまうと、歯並びが悪くなる可能性があります。
以下のようなケースでは、歯科医院での受診をおすすめします:
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乳歯がぐらついていない
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永久歯が明らかに内側や外側に大きくずれて生えてきている
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歯磨きがしづらくなってきた
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噛み合わせに違和感がある
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上下の歯がうまくかみ合わないように見える
これらのサインがある場合、永久歯が正しく並ぶスペースがない可能性があるため、放置せずに歯医者に相談しましょう。
■ 歯科での対応:必要に応じて抜歯や経過観察を
小児歯科では、まず視診とレントゲン撮影で、永久歯と乳歯の位置関係や根の状態を確認します。そのうえで、以下のような対応をとることが一般的です。
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乳歯が自然に抜けそうな場合:経過観察(しばらく様子を見ます)
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乳歯がしっかりしていて抜ける気配がない場合:抜歯を検討
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歯並びやかみ合わせに影響が出ていそうな場合:矯正歯科との連携
歯の状態はお子さん一人ひとりで異なりますので、早めの診察が大切です。
■ 将来的な歯並びのために、早めのチェックを
乳歯と永久歯が重なって生えてくると、どうしても歯みがきがしにくくなり、虫歯や歯ぐきのトラブルの原因になることもあります。また、歯が内側にずれてそのまま固まってしまうと、将来的に矯正治療が必要になるケースも増えます。
小児歯科では、こうした「生え変わり期」のお口の変化に特に注目して診察を行っています。少しでも気になることがあれば、気軽に相談してくださいね。
■ まとめ:子供の前歯が重なって見えたら、まずは小児歯科へ
子供の前歯が重なって見える、乳歯と永久歯が同時に見える――こうした状態は珍しいことではありませんが、「見守るべきか」「治療が必要か」の判断がとても大切です。
小児歯科では、お子さんの歯の成長を長期的にサポートしています。早めに診察を受けることで、将来の歯並びやお口の健康を守る第一歩になります。ぜひお気軽にご相談ください。
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